来月は
諭吉&杏のワクチン接種です。
ワクチン接種については
以前、2013年10月15日の
記事に載せていますが
もう一度詳しく書こうと思います。
過去関連記事
昨日の午前中はホリスティック獣医師の本村伸子先生の「免疫とワクチン」についてのセミナーに参加してきました。アメリカで8月に行われたホリスティック獣医学会に出席…
先週、諭吉のワクチン抗体価検査に行って来ました。混合ワクチンを毎年のように接種しないとダメだと思っている飼い主さんが多いと思いますが、本当にそうなのでしょうか…
ホリスティック医学に関心を持たれ、特にペットにとっての食事の重要性と日本におけるワクチンの過剰摂取の問題について調査や研究をされているホリスティック獣医師の…
毎年のワクチン接種について
かなりの疑問があったので
2013年10月13日に
ホリスティック獣医師の
本村伸子先生のセミナー
「安全なワクチン接種」
に参加しました。
本村先生のセミナーは
それ以前にも
「安全なフードの選び方&手作りの基本」も
参加していたので2度目になります。
ワクチンについて
ワクチン接種とは
不活化して希釈した少量のウィルスを、注射で体内に入れて発症しない程度に穏やかに感染させ、抗体を作って免疫力を得るというものです。
これによって
本格感染する前に抗体が
できているので感染しても
発症しなくなります。
重要なのは
自然に感染した時に
十分な量の抗体があるか
ないかだけなんですよね。
わんちゃんのワクチン接種は
1年に1度と任意で
決められていますが
抗体が有効なら
2年、または3年に1度
でもいいのです。
体内に抗体があるのに
毎年ワクチンを接種しても
無駄なだけ。
というより、ワクチン接種が
わんちゃんや猫ちゃんに及ぼす
副作用があるということを
知っておかなくてはなりません。
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感染経路別に抗体が必要
人間のワクチン接種で、
綿棒で鼻の中をこすってるのを
見たことはありませんか?
あれと注射で接種するのは
どう違うのでしょう。
実は、できる抗体が違うんです。
人からくしゃみでうつるのは、
くしゃみで空中に菌や
ウィルスをのっけた唾液の
こまかい粒がただようからですね。
それを鼻や口から吸い込んだり、
目の粘膜にくっつけたりすると、
うつることがあるのです。
「ことがある」っていうのは、
どれくらいの数の菌や
ウィルスがいっぺんに
くっついたかによって
感染するかどうかが
決まるからなんです。
それと、感染力の強弱。
で、こうやって、
目、鼻、口の粘膜から
入り込むのを
やっつける抗体は、
注射ではできません。
注射でできる抗体は、
血液に乗って、
粘膜の奥を流れますが、
目、口、鼻の粘膜に取り付いた
菌やウィルスを真っ先に
叩くのは粘膜に
ワクチンを塗りつけて
得られた抗体なんですね。
血液は、全身を回ってますが、
血管から赤血球は外に出ません。
ここでいう「外」は
血管の外なので「体内」です。
この、血管の中と血管の外の
体内(粘膜以外)
で活躍する免疫と、
粘膜で活躍する免疫は
別々に活躍します。
担当が違うのですね。
ややこしいの
でここでは名前だけ
紹介しておきます。
注射の接種で得られる免疫
体液性免疫(たいえきせいめんえき)と細胞性免疫(さいぼうせいめんえき)綿棒で鼻や口の粘膜にこすり付けて得られる免疫
分泌性免疫(ぶんぴつせいめんえき)
ところで、犬や猫たちは
どうやって感染するかというと、
圧倒的に多いのは、
クンクンしたり
ペロペロしたり
ハアハアしたりですね。
ということは、
鼻や口の粘膜からなのです。
だれかが、わんちゃんに
ウィルスがくっついた
針かなにかを刺さないと、
細胞性免疫
活躍するチャンスは
なさそうですね。
でも、普通は、動物病院では
注射器で接種します。
さぁ、できる免疫はどっち?
体液性と細胞性免疫です。
これは、犬や猫のワクチンに限らず
人のインフルエンザワクチンも
同じことなのです。
本当に、
抵抗力ができたかどうかを
確かめるには、
抗体価(こうたいか)
というものを血液検査で
調べないとわかりません。
1年もたない抗体価があるなら
毎年するべきだし、
3年もつなら
3年目でうつべきかも
しれませんね。
結論をいいますと、ようするに、
ワクチンを打っても
絶対じゃないんです。
かといって、
打たないでいると
接触して感染する
可能性を圧倒的に
あげてしまうのでそれも危険。
だから、わんちゃんによって
違いがでる抗体価を調べないと
本当は意味がないかもしれません。
ワクチンの副作用(ワクチンショック)(アナフィラキシーショック)
ワクチン接種によって
ウィルスや病気から
身を守れるのは事実ですし
ワクチン接種なしで感染、
発症すれば命さえ
落としかねません。
しかし、ワクチン接種といえど、
感染することには違いないので、
犬が本来持っている
免疫力の低下を
引き起こすことも
これまでの研究で証明されています。
ワクチン接種によって証明されている副反応
アナフィラキシーショック
もっとも頻繁に見られる副反応
危険で命に関わる。
ワクチン接種後犬ジステンバー脳炎
自己免疫性再生不良性貧血と免疫介在性血小板減少症
犬パルボ弱毒性生ワクチン接種後
1~2週間以内に生じる可能性がある。
免疫介在性溶血性貧血
ワクチン接種後1ヶ月以内に起きる。
ワクチン接種によってわかっている副反応
皮膚炎
関節炎アレルギー
てんかん様発作
腫瘍やガンなど
問題行動
ワクチン接種によるアレルギー発症率
犬のワクチン接種によって副作用が起きるのは約1%と言われています。
その1%のうち死亡率は5.5%になっています。これは1万頭で5頭か6頭が亡くなることを意味します。
諭吉のワクチンアレルギーについて
私がワクチンについて
全く知識がなかった頃
諭吉の1歳のワクチンで
9種混合ワクチンを接種しました。
我が家は鴨川の近くなので
お散歩コースはいつも
鴨川沿いで往復2km歩いていました。
川沿いということもあり
獣医さんに相談したところ
この辺りのわんちゃんは
9種混合を利用されている
ことが多いと聞き
9種を接種しました。
ところが、病院で30分ほど
様子を見たにもかかわらず
家に帰って間もなく
諭吉がお座りした状態のまま
全く動かなくなり震え出してきたのです。
意識はあったので
1時間くらい様子をみて
ダメだったら病院へ連れて
行こうと思いましたが
20分くらいで徐々に
回復してきたので
そのまま動かさず様子をみました。
のちに、獣医さんに
症状を伝えると
そうとう、危なかったそうです。
ただちに、病院へ連れて行くべき状態でした。
諭吉のショックの原因に
なったワクチンは
この後説明します
ノンコアワクチンの
レプトスピラ系のワクチンでした。
6種にはなく、9種に含まれています。
ちなみに、レプトスピラ症は主に
ネズミが媒体となって
ネズミの尿に汚染された
土壌や水から感染します。
本村伸子先生のセミナーによれば
免疫持続期間は
1年以下なので
感染する機会が高くなければ
チワワやトイプードルなどの
小型犬への接種は
薦められないそうです。
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コアワクチンとノンコアワクチン
コアワクチンとは
すべての犬が接種する
必要があるワクチンです。
- 犬パルボウイルスタイプ2(CPV-2)
- 犬ジステンパーウイルス(CDV)
- 犬アデノウイルスタイプ2(CAV-2)
- 犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1)(CAV-1)
- 狂犬病ウイルス
ノンコアワクチンとは
状況や環境に応じて
接種するワクチンのことです。
- レプトスピラ
- パラインフルエンザウイルス
- コロナウイルス
などがあります。
抗体価検査の必要性
1回のワクチンで生まれた
抗体の効果がどれだけ
持続しているかは
個々のわんちゃんによって異なります。
2年後も体内に抗体があれば
1年後に副作用の危険性がある
ワクチンを接種する必要は
ないのです・・・というか
接種すること自体が無駄です。
ここで、気をつけないと
いけないのが
ワクチン接種をしても
抗体ができないか、
弱いレベルでしか
抗体を作れないわんちゃんも
ごくまれですがいます。
リスクを冒して接種しても
それでは意味がないんですよね。
安心していたら発症した・・・
ということになりかねません。
毎年の追加ワクチンの前に
是非一度、抗体価検査を
行うことをおすすめします。
獣医さんの中には
抗体検査をお願いしても
「ワクチンの方が安上がりなのに・・・」
と言われる方もおられます。
真剣に犬のことを考えて
おられる獣医さんなら
理解できて当然の事
だと思うので、私なら
そんな動物病院へは行きません。
ただし、抗体価ができるか
どうかに関わらず、
仔犬は必ず打っておくことが必要でしょう。
諭吉のワクチン抗体価の検査結果
2012年7月31日に
6種混合を接種してから
2014年3月18日に
抗体価検査をするまで
中596日(1年7ヶ月19日間)で
どれだけ抗体が残っているかを検査しました。
検査の対象が
コアワクチン3種と
アデノウイルス2型の計4つです。
他も個別にできるのですが
時間がかかるのでこの4つにしました。
諭吉の抗体価検査の結果
検査結果 | 判定結果 | |
---|---|---|
犬ジステンパーウイルス抗体(CDV) | 320倍 | B |
犬パルボウイルス2型抗体(CPV2) | 640倍 | A |
犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1)(CAV1) | 10倍 | C |
犬アデノウイルスタイプ2(CAV2) | 140倍 | A |
A:発症を防御できる抗体価です。
CDV 640倍以上
CPV2 160倍以上
CAV1 160以上CAV2 40倍以上
B:現時点では防御可能な抗体価ですが、1年以上の効果を期待するにはもう少し
高い抗体価が望ましいと思われます。
CDV 160〜320倍
CPV2 40〜80倍
CAV1 40〜80倍
C:発症を確実に防御できる抗体価ではないと思われます。
CDV 80倍以下
CPV2 20倍以下
CAV1 20倍以下
犬パルボウイルス2型抗体(CPV2)は
発症を防御できる
抗体価の基準数値が
160倍以上に対して
諭吉の数値は640倍
犬アデノウイルスタイプ2(CAV2)は
40倍以上に対して
140倍
上記の2つに関しては
接種してから1年7ヶ月19日も
経っているのに充分すぎる
抗体があることが判りました。
犬ジステンパーウイルス抗体(CDV)に関しても
B判定の上限です。
問題は、C判定が出た
犬伝染性肝炎(犬アデノウイルス1)(CAV1)で、
防御できない数値です。
本来なら犬伝染性肝炎の
ワクチンだけを単品で
接種したいところですが
日本ではまだ
単品ワクチンの接種はありません。
6種混合という
ワクチンがあるなら
そのワクチンに対して
アレルギー反応が
出ているワンちゃんも
いるわけですから
セットで抗体価検査を
用意する必要が
あると思いますし
わんちゃんの健康を
考えるなら単品接種も
可能であってほしいです。
以上の結果から、諭吉のワクチンは
2年に1度にしています。
ちなみに、
抗体価検査のお値段ですが
しっかりは覚えていませんが
6種混合ワクチンのお値段よりは
安かった記憶があります。
アメリカでのワクチン事情
アメリカではすでに
何年も前から生後2ヶ月で1回
生後3ヶ月で1回
1年後に1回
あとは3年後に1回
老齢(10歳以上)は
体調の変化を見て
過剰接種を避け、なるべく控える
とされています。
狂犬病ワクチンも
アメリカは未だに狂犬病が
根絶していない国にもかかわらず
3年に1度です。
狂犬病ワクチンについて
狂犬病の過去の国内発症例
日本国内では、人は昭和31年(1956年)を最後に発生がありません。また、動物では昭和32年(1957年)の猫での発生を最後に発生がありません。現在、日本は狂犬病の発生のない国です。
なお、輸入感染事例としては、狂犬病流行国で犬に咬まれ帰国後に発症した事例が、昭和45年(1970年)にネパールからの帰国者で1例、平成18年(2006年)にフィリピンからの帰国者で2例あります。厚生労働省HPから引用
日本では狂犬病ワクチンは
法律で1年に1度と
義務付けられていますが
その根拠が明らかになって
いないどころか
抗体価検査さえ
東京の一部の機関でしかできず、
しかも入出国するわんちゃんのみです。
不思議に思っていることが
あるのですが
猫も犬と同じように
狂犬病を発症するのに対して
猫は義務付けられて
いないんですよね。
どうしてなんでしょうかね?
まとめ
毎年のワクチン接種よりまずは
抗体価検査をすることが
自分のペットが健康で
長生きできる秘訣だと知りました。
犬に多い病気に
- がん
- 心臓病
- 肝臓病
- 発作
- てんかん
- 食事・ストレス・環境など
原因は様々です。
しかし、ワクチンの過剰接種も
その原因のひとつで
ガン細胞ができやすい
環境を自然に
作り上げてしまっていると
『フレンドの遺言』の著者である
本村伸子獣医師は伝えています。
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はじめまして。3歳のマルチーズと暮らしているマイと申します。
私も去年本村先生のワクチンに関するセミナーに参加させていただきました。
ワクチンの副作用で亡くなってしまった知り合いのワンコがきっかけでワクチンの危険性について初めて知りそれから調べに調べ本村先生にたどり着きました。
セミナーの内容はかなり詳しく資料もいただいたのですが理解力が乏しいのか(^^;;うまく整理できないでいました。。
こちらの記事を拝見してとてもわかりやすく今年は抗体検査を受けようと思っていたので参考にさせていただきます!
ありがとうございました^ – ^
マイ様へ
返信が遅くなってしまって申し訳ありません。
愛犬を守るために接種するワクチンなのに
悲しい結果になってしまうなんて本当に辛いことだと思います。
費用はかかりますが一度、抗体価検査をすれ
抗体の持続期間がわかるので
リスクを冒してまでも
毎年接種する必要は無くなります。
狂犬病接種もそうあってほしいと願います。
ワクチンについての理解はなかなか難しいですよね。
私も初めは、ほとんどわかりませんでした。
ご理解いただけてよかったです。
犬(猫)ちゃんたちへの混合ワクチンに関しては、以下が現在の結論です。ご査収いただければ幸いです。
・接種方法に関して現在、最も信頼され科学的根拠があるのは世界小動物獣医師会(WSAVA)が提示しているワクチネーションガイドラインです。
世界の獣医学の専門家による提言です。これ以外の方法はないと言っても過言ではありません。常に見直しが行われていますので、過去の提言を採用している病院もあります。
最新版です。https://www.wsava.org/guidelines/vaccination-guidelines
・最新版の要約は、以下のとおりです。
このガイドラインの目的は、最新の科学に基づいた動物に優しい獣医療のため、エビデンスに基づいたワクチネーションを実施するためです。
もちろん日本にも適用できますし、するべきでしょう。
①ワクチンをコア(ジステンパー、アデノ、パルボ)、ノンコア(レプトスピラ、
パラインフルエンザなど)及び非推奨(コロナ)に分類する。
②全ての犬(猫)にコアワクチンを接種する。
③コアワクチンの最終接種を16週齢(4か月齢)以降にする。
④コアワクチン最終接種後4週間以上あけて抗体検査を行う。
⑤状況によりコアワクチンを26週齢から52週齢で再接種を行う。
⑥以降3年以内にコアワクチンを接種しない。
⑦必要に応じて抗体検査を行い動物の状態を検査する。
⑧ノンコアワクチンは、地域の特性に合わせて毎年接種する。
⑨狂犬病ワクチンは、その国の法律に従う。
・以上から、毎年、3年毎のたくさんの種類を接種という成犬のプログラムは存在しなくなりました。
・子犬の時期にしっかりとコアワクチン接種を行えば抗体は長期間持続します。
・抗体検査を行い、抗体がなければ打つ、あれば打たない、という事です。
・抗体価での判断ではなく、抗体の存在が重要です。なぜなら抗体価は
免疫能を表す値ではないからです。
・11種のワクチンは今現在存在しません。
F沢です。
安田先生、再度、お返事まで戴き、ありがとうございます。
お教えいただいたサイトがなぜか開かず、
閲覧できないのは残念でなりません。
抗体価はその時点での一時的なものであり、
絶対的な指標にはならないことが
よくわかりました。
先生のご指摘を踏まえ、事項で少し詳しく
記したく存じます。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
F沢様
ありがとうございました。
よろしくお願い申し上げます。
安田英巳